本の表紙画像(書影)の使用の法律問題
ブログやSNSで本の紹介をする際に、本の表紙画像を使用して紹介したいといったことがあるかもしれません。
当然著作権との関係が気になるわけですが、まず著作権の対象として保護されるのは『著作物』ですので、本の書影が著作物かという点は順を追う意味で検討対象となります。
この点については端的に結論から述べますと、本の表紙についてはそのデザイン性から基本的には著作物として保護の対象となると考え行動することが適切です。
仮に単に文字のみの表紙というものがあったとしても、それ自体もデザインの1つとも考えられることから著作物でない(だから著作権の問題は発生しない)というパターンは想定し難いのではないかと考えられます。
そうすると書影を許可なく使用すれば著作権としての複製権や公衆送信権の侵害として著作権侵害となるのが原則と考えられます。
ここで一般的にしばしば見られる論調として、本の販売促進になるのだから実際には権利者から訴えられることはないから大丈夫 といったものがありますが、事実上権利行使されないことと法的に適切か否かは次元の違う話ですし、その事実上権利行使されない状態は、権利者の気持ち一つで崩れる状態といえるしょう。
あとは、 許諾なしでの使用可能との例外である「引用」等を検討するとしても、 引用は一般の方々が考えるよりも要件が多く、 出展を明示した記事であっても、意外とこの要件を満たしていない引用も多いものと思われます。
単に出所を明示しただけでは適切な引用にはならないので注意が必要‼️
簡潔にまとめた【引用の要件】
①引用の対象が「公表された著作物」であること
②明瞭区分性:括弧書き等で引用部分が明確に区別できること
③主従関係性:引用部分はあくまで自らオリジナルで執筆・製作したコンテンツの従たる存在であるという
関係性を 要します。
④公正な慣行に適合していること
⑤引用の目的上正当な範囲内であること
⑥著作者人格権を侵害しないこ
著作物の『引用』についてはこちらの記事もどうぞ

なお、個人の非営利使用やSNS上で書影を利用することを一定の条件(個人的な楽しみ等でウェブ上に公開する場合などの使用目的、書誌情報の明示・トリミングを行わない等の使用方法など)のもと明示的に使用を許している出版社もありますので、紹介しようとする書籍・出版社のルール情報を検索し確認することも1つの方法といえます。
一定の条件等使用のルールが明確に示されていない場合で書影の使用を行いたい場合には、出版社等に個別に問い合わせをすることが適切となります。
ビジネス利用については、上記のような一般的ルール規定がある書籍・出版社の場合でも、許諾の射程に入っていないことも多いのではないかと思われますので、個別の許諾を得る必要があるシーンが多くなるのではないかと考えられます。
※本稿は、私見が含まれ、また、実際の取引・具体的案件などに対する助言を目的とするものではありません。実際の取引・具体的案件の実行などに際しては、必ず個別具体的事情を基に専門家への相談などを行う必要がある点にはご注意ください。




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